疲れたからちょっと無職になってみた

明日死ぬとしたら、生き方が変わるのか?

カーリングシトーンズと近所の石を見てきた・感想【1】思いで語らい叙情編

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無職だけど、カーリングシトーンズのライブビューイングに行ってきた。
 
カーリングシトーンズ デビューライブ!inシネマ 〜カーリング・シトーンズと近所の石〜 ←という、やっぱりヘンテコで愛しいタイトルがついていた。

 

 
 

妊娠中も出産時にもロックを聴いていた母と子どもたち

 
洋ロックをBGMに兄とわたしを産んだという、洋ロック・邦ロック(とくにRCサクセション)をこよなく愛する筋金入りの母と、上方漫才を愛でる父のもとに誕生したわたしたち兄妹は、
 
周囲の同じ年頃の子ども達が戦隊ヒーローに憧れたり、アニメキャラに目を細めたり、プリンセスが振り回す魔法のステッキをほしがるなか、それらに心を寄せることなく
 
"ドカドカうるさいロックンロールバンド"のド派手なフロントマン、RCサクセションの忌野清志郎――以下、敬愛を込めてキヨシローと呼ぶ――が歌う、
 
"つ・き・あ・い・た・い" "スローバラード" "パパの歌" "トランジスタラジオ"etc,,,に身を躍らせ胸を焼きつくほど焼いて焦がした、かなりマセた子どもだった。
 
 
 
 
 

忌野清志郎[キヨシロー]に憧れて

 
なんせ自宅では母が、家族の朝食やお弁当をつくりながらリビングでRCサクセションの曲を音量・大で流しているし、学校を終えて帰宅するとリビングのテレビでは擦り切れかけているとおぼしきビデオテープが、カリカリカリ……と乾いた音を立てて
 
キヨシローが歌い、CHABOがギターをかき鳴らす様子を見せつけていたのだから、わたしの初恋の相手がキヨシローなのは仕方ないことだと思うし、兄が高校で軽音楽部に入ったのも、小学生のわたしがブラスバンド部に入ったのもいたってふつうの流れだと思う。
 
「男はギターかベースが弾けて、それでいて面白いやつしか認めない!」と真剣に思っていた学生時代。同級生女子たちがKinKi Kidsのファンというだけでは飽き足らず「光一君派? 剛君派?」で日夜バトルを繰り返していたけど
 
「コウイチといえば、堂本光一ではなく元・ユニコーンの川西幸一だよ!」と喉の中で静かに熱くツッコむ少女だったのでした。
 
 
 
 

ユニコーンもジュンスカもいなくなった

 
けれど、あまりにもロック魂とかバンド大好き、お笑い超絶LOVE! っぽさを前面に押し出すと孤立してしまう学校生活。しかも男子からは絶対にモテないに決まってる。なんせ周りはKinKi Kidsやミスチル・小室サウンドに溢れかえってる時代。
 
すでに解散しちゃっていたユニコーンのよもやま話、呼人さんが脱退しちゃったジュンスカへの感傷。レピッシュのMAGUMIはなんでいつも上半身を脱いでるのかとか……。
 
そういう話をできる友達はひとりもいなかった。兄も同じことを言ってた。
「わかってねーよな、アイツら」って。
 
母から買ってもらったばかりのお揃いのジャックパーセルのつま先のゴムに、灰色の線が何本も入って汚れて見えるくらい、わたしたち兄妹はやりきれなくて自転車のタイヤをがんがん蹴った。ユニコーンと呼人のいないジュンスカなんて。
 
 
――中高生は郷愁に恋するよりも『今』を生きてるからしゃーないね、と父に慰められてさらにふさぎ込んだスパイシーメモリー。
 
 
 
 

ビートルズを聴かないことで何か新しいものを探そうとした、そんな感じ

 
いつしか兄とわたしは、あの頃の音楽・あの頃のミュージシャンの話を避けるようになった。
 
でも。兄がこっそりとウォークマン的なもので奥田民生を聴いていることも、真心ブラザーズを聴いていることも知っていた。FLYING KIDSはやっぱええなぁって独り言をつぶやいてるのも耳にした。
 
だからきっと兄も、わたしがユニコーンを聴いていることもジュンスカを聴いていることも、SPARKS GO GOのヤックのベースに悶絶していることも、あいかわらずキヨシローやザ・タイマーズに恋患っていることを気づいていただろう。
 
途中、オーガスタ系(スガシカオさん・山崎まさよしさん)に心をもっていかれたこともバレてたし。
 
ジュンスカを脱退した寺岡呼人さんと"ゆず"のお二人とのスペシャルユニット「The Little Monsters Family」の超名曲、星がきれい のCDに至っては、兄の部屋にもあったし、わたしの部屋には当然あった。


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なんだったら今も持ってるし今も聴いてるし昨日も聴いたし、これからの季節きっともっと聴くし、iPhoneのプレイリストの中の「favorite_romantic」と「favorite_winter」カテゴリー両方に存在しているし。

呼人さんの決してビターになることも慣れることもない(?)それはそれは甘ったる~い歌声に悶絶しながら、聴いてるし。好きです、呼人さん。大好き。
 
 話は戻って――好きな音楽って細胞に刻み込まれているから、そう簡単にこの身から立ち去ってはくれない。大人になればなるほど「あの頃」を振り返りたくなる出来事も増えたりするから、そこにはいつも彼らと彼らの音楽がいた。
 
 

  【爆誕】カーリングシトーンズ! 半信半疑、傷つかない為の予防線をはりたいけれど…

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画像元 https://natalie.mu/music/news/290651


そんなある日、遡ることおよそ1年前の7月。「カーリングシトーンズ」なる北見のもぐもぐ女子達の愛らしさに射ぬかれたとしか思えないネーミングの、超大型の新バンドが結成されたという記事がネットのあちこちでポップアップした。
 
奥田民生という字がチラりと見える。
斉藤和義という字もチラりと見える。
寺岡呼人25周年プレゼンツという字がチラりと覗く。
 
 
「カーリングシトーンズ」なんて変な名前、つけそうだもんあのお兄さん達。間違いない、絶対にあのお兄さん達がバンドを組んだんだ。どうしようどうしよう、嬉しい。でもどうしよう!!!
 
なにを迷うことがあるのか、記事の見出しをタップしてさっさと本文を読めばいいのに、人差し指が戸惑ってる。
 
画面の向こうには「元」が付かない、ユニコーンの奥田民生さんとジュンスカの寺岡呼人さんと、真心ブラザーズのYO-KINGと、ウルフルズのトータス松本さんと、FLYING KIDSの浜崎さんと斉藤和義さんがいる……。宝くじで高額当選をしたらこんな気持ちになるのかな。嬉しくて嬉しくて、でも夢かもしれないから、夢からさめたら白黒の世界で消えてしまいたくなるから半信半疑でうごけない。
 
――とそこへ届いた1本のLINE。
 
「見た?」
「なにを?」
 
分かっているけど一応聞く。兄もたぶん同じ気持ちでLINEをしてきただろうから。
 
「民生の……」
「カーリングシトーンズ?」
「やっぱ知ってた!」
「でもなんか怖くて記事は読めてないんだよぉ……」
「俺も~」
 
 
 

されど、涙はふかない

 
レピッシュの現ちゃんも逝なくなって、キヨシローも逝なくなって、ミッシェルのアベさんも、フジファブリックの志村君も逝なくなって、逝なくなってしまって。
 
好きになったバンドや好きになったミュージシャンがある日とうとつにいなくなる、かもしれない。数々の思い出と忘れられない幾つもの名曲だけ遺して。これってとってもすっごくものすっごく苦しい。色あせないのは嬉しくてかなしい。
 
苦しい気持ちと尋常じゃないくらいの嬉しさがない交ぜになると、怖くなる。だから兄と妹は「いっせーのーせ」で記事を同時にタップした(つづく)
 
 
カーリングシトーンズデビューライブ記者会見