疲れたからちょっと無職になってみた

明日死ぬとしたら、生き方が変わるのか?

無職が昼下がりの公園で読むことを許される本

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無職になると他人の生活音が耳ざわる

 
無職生活のパターンに慣れてきた、無職3周目あたりでふと気づいた。
家の中にいると"他人の生活音"がやけに聞こえる+みょうに気になるってこと。
 昼夜反転の生活をしていると自律神経がバランスを崩し、神経が尖ってきて、神経が休まらずに、些細な音や些細な感覚が気になりストレスが溜まる
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  神経が尖っているため、さらに些細な音や些細な感覚が気になって……負のスパイラルにハマる
 
というような話を聞いたことがある。前回書いたように、無職になると夜型の生活にシフトするのはいとも簡単で。けれど「愛犬・松本」のエサやりや散歩があるため、どうにも昼夜反転しきれず。
 
しかしそれでも、家の中にいる時間が長くなると"他人の生活音"がやけに聞こえてくる+気になってくるのだから不思議だ。対して騒がしいわけではないのに、有職時代だって朝や昼に在宅していることなど何度もあったというのに、まるで気にならなかった。ほんと不思議だ。
 
 
 

無職、隣人の生活に五感を刺激される

 
  • 隣人は毎日午後4時にスーパーに行く。
  • 隣人はその際、お玄関の鍵を閉めない。
  • 隣りのファミリーは全員、ドアの開閉音が大きめ。
  • 隣人の息子は、ベランダの窓を開けるけれど室内で喫煙をする。
  • 隣人は週に2度、夕方6時に掃除機をかける。
 
などなど、有職時代にはこれまでいっさい聞こえなかった――耳に入ってこなかった――隣人の生活音からライフスタイルが覗き見れる。そしてなんだか知らないけど隣人の存在が煩わしくなってきた。理由? うるさいから。
 
 
実際にはこれまでまるで気にならなかったのだから、隣人の生活音はきっとうるさくない一般的なもののはずだし、煙草だって昨日今日吸い始めたわけでもないだろうに。
 
 
 

売るほど時間があると、したいことは後回しになる

 
無職で家にいる時間が長いと、手持ち無沙汰になる。
 有職時代にはとても大切にしていた「わずかな自由時間」にしたいこと・やらなきゃいけないことを詰めこんでそれなりに充実していたのに、
無職になって自由時間があまりに増えたせいで「したいこと・やらなきゃいけないこと」はいつでもできることになった。いつでもできるなら今、今日、しなくていい。
 
間がもたないことを五感が埋め合わせするかのように、隣人の生活音に敏感になり、綿ぼこりのように積もっていく。ストレスが。ちくちくぴりぴりと、苛立ちのパーツがはまっていく。
 
これはきっとよくない。精神衛生的によろしくない。
 
わずかな自由時間しかなかった頃に買って、そのままインテリア雑貨として"オシャレ椅子"の上に無造作に重ねていた数冊の本をまずはやっつけよう。
 近所の公園のベンチに腰掛けて、缶コーヒー片手に読書だなんてなんだかちょっとオシャレっぽい。あえてスタバに行かないところも、たぶんなんだかオシャレっぽい。
 
 
 

無職は名著「火花」を読めるか?

 
と、ひとまず1冊の文庫本を手にとった。
ピース 又吉直樹著『火花』
 

 
間もなく7月に入ろうという陽気な平日のお昼前、無職な女が公園のベンチで『火花』を手にしている姿を想像してみる――。
 
公園には若いママたちがガールズトークに弾んでいるだろう。その傍らでは子どもらの屈託のない笑い声が転がっているだろう。公園を囲む花壇には今か今かと出番を待ちわびたつぼみが色を覗かせているだろう。
 
その敷地内を絶賛無職な女が渋い顔して『火花』に読み入る姿を想像してみた。
 
やばい。
違和感。
不釣り合い。
通報されるかもしれない(?)
 
 
 

無職が昼下がりの公園で読んでもいい本

 
『火花』ってきっと陽気な昼間の公園で読んじゃいけない本だ。掃除をしてもしても綺麗になりっこない古びた昭和のアパートの四畳半の片隅か、文学文学した昭和の喫茶店で髭ダンディズムなマスターが淹れた珈琲が手元に置かれたことにも気づかないほど没頭して読む本だ、絶対にそうだ。きっとそうに違いない。まだ1ページも読んでないから勝手な思いこみだけど。
 
髭ダンディズムなマスターがいる文学喫茶と、運よく巡り合うかもしれないし初夏の公園は暑すぎるからとママさんたちも子どもたちもいないかもしれない。念のために『花火』と他2冊をバッグに入れて、自転車のペダルを踏んだ。
 

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無職は「濃いめ」の本がすき

 
 
 この細い細いうら道を抜けて
 誰もいない大きな夜の海見ながら
 線香花火に二人で ゆっくりゆっくり火をつける