疲れたからちょっと無職になってみた

明日死ぬとしたら、生き方が変わるのか?

人は無職になると、血は争えないことを知る

 

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人生に疲れ果てたので、予算300万円を使い切るまで無職でいようと決めたわたし。以前から薄々気がついてはいたけれど、無職になって確信した。
 
わたしという人間はドラッグストア(やホームセンター)で異様に散財したがる傾向が強いということを。
 

 

 
 

 

 

無駄使いの血は争えない?

 

 

その昔、作家・中村うさぎさんの「ショッピングの女王」という本を読んだ。それはそれはゲラゲラクスクスと笑いながら読みすすめた。
 

 
こんなヘンな女、いねーよ! ブランド物買わずに、先にガス代を払いなよー! なんて軽口を叩きながら読み終えたわたしに向かって母が吐き捨てるように言った。
 

 

「こんな本ばっかり読んで……。あなたにも同じ血が流れてるんだからね、気をつけなさいよ!」
 
 
ちょうどその頃我が家では、父が家族に内緒で700万円もの大金を使って"セカンドハウス"を所有していたことが発覚し、連日、朝から晩まで母が怒りに噴火していた。
 

 

「大丈夫、大丈夫。わたしはこの人(中村うさぎ)やあの人(父)のようにはならないから。それよりまた買ったの……?」
 
「パパのせいでストレスが凄いから」
 
 
おかしな言いわけをするもんだ。父のセカンドハウス事件が発覚する以前から、母は通販で大量に品を買っている。あまりにも毎日宅配ドライバーさんが来るもんだから、母の浮気""疑ったくらいである。
 
 
 
 
 

通販でストレス発散をする母の言いわけ

 
母によるとこういうわけらしい。
 
通販で商品購入
以降、DMや新製品のご案内を載せたパンフレットが届く
『期間限定!』と書かれた商品が気になって眠れなくなる
買う
DMや新製品のご案内パンフレットが届く・メールが送られてくる
『優良顧客様限定!』『優良顧客様に限り20%OFF!』と書かれた商品が気になって眠れなくなる、血圧上がる
買う、血圧下がる
ある日、上記とは別の会社から、上記商品よりも「さらに効果がありそう」な類似品を掲載したDMやパンフレットが届く
「先に購入した品の効果に、ちょうど不満を感じていたタイミング」だったので、こっちも試してみようと買う
以降、DMや新製品のご案内パンフレットが届く
無限ループ
 
 
――という両親のもとに生まれて育ったため、衝動買い・浪費をさほどしない学生生活を送り、節約・倹約こそしないまでも使わないモノを買うような無駄な消費活動はしないまま大人になった。はずだった。
 
 
 
 

無職になって気づくこと[郊外のDSの駐車場の広さ]

 

 

ああ……どうして我が家の周辺にはドラッグストアと百円均一がこんなにも多いんだろう。自転車を10分も走らせれば百貨店、その周辺にはセレクトショップやカフェが軒を連ねる。
 
なんて便利で誘惑の多い場所に住んでしまったのかと、今さら悔やむ。
 

『絶賛無職』にとってこの街は危険だと車を走らせること90分、都会を離れれば離れるほどドラッグストアってこんなにも「大きくなる」んですね。知らんかったー。笑
 

 

「なんの広場?」と首をかしげたくなるほど広大な駐車場の奥に大型店舗。コンビニの駐車場もやたらと広くて驚かされる。こんなに土地、要る? みたいな。
 
 
 
 
 

無職になって気づくこと[窓から見える当たり前の街並み]

 

 

3LDKのペット可マンションに暮らしている。父の会社が持っていた物件なので家賃は相場の(=同マンション他の部屋の)1/3程度。
 
自分で言うのもなんですが、わたしはわりと綺麗好きだ。いつだれが突然やってきても「掃除したばかり?」と聞かれるくらいには我が家はいつも整然としている。
 
塵ひとつないとは言わないけれど、自分は片づけられないくせに家族には片づけを強いる母の(歪んだ)教育のおかげで気がつくと整理整頓や掃除は趣味のひとつになっていた。
 
「南向きの、窓の多い角部屋を用意したよ」とかつて父がこの部屋を案内してくれたことをふと思い出し、窓際に立った。
 
 
「きったねぇな……」
 
綺麗好きであるはずの我が家の窓は汚かった。そういえば冬の間は結露との戦いで頻繁に窓を拭いていたけれど、花粉が猛威を振るった以降は忙しさにかまけて窓拭きなんざ完全に忘れていた。
 
リビングにもキッチンにもお風呂場にもお手洗いにも、3つの部屋にも窓が2つ以上ある我が家。なんでこんなに窓が多いんだよ……と、口調は悪く・足取りは軽くひとまず大好物のドラッグストアへ ←


もちろん、窓拭き専用洗剤を買うためである。これは無駄遣いではなく必要買いだ。お気になさらず。
 
 
リビングの窓から見えるは大手銀行。銀行に出入りする人ってこんなにも多かったんだ……と窓を拭く手を止めてしばし見入る。自動ドアが開いては閉まり、閉まっては開きを繰り返している。「銀行の光熱費ってすごそうだな」なんてどうでもいいことに思いを傾ける。
 
 
人って歩くの、はやい。
 
 

 

ほんの1週間前までは自分だってこの雑踏の中に紛れていただろうに、無職になって窓を拭いて、ここから見える街の移ろいの速さに愕然とする。
 
無職でいる日が1日伸びていくごとに、多くの人が行き交うあの道の上には戻れないかもしれないと胸がきゅっとなった。
 
 
だからだと思う。
 
無職1週間目にして50万円、使ってしまった。
両親に勝るとも劣らぬ我が散財能力に腰が抜ける。


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