結論から先に書くと約5年続けた、大人の発達障害のトレーナーを辞めることを決めた。※もちろん在籍している生徒(これまでの全生徒数217名/2019年6月現在、在籍稼働生徒5名)についてはきちんと責任を果たします。
発達障害の支援者・指導者が退く現状
昨年末のこと。発達障害の支援や指導を積極的に行っていた信頼できる先生方が複数名、次々とその活動に幕を下ろされた。
彼らにその理由をたずねることはしなかったけれど、診療室を閉じたわけでもなければ、廃業なさったわけでもない。あくまでも発達障害の支援や指導を終えられたまで。
間もなく4月になろうかという都内の最低気温1度の日曜日。お世話になったとある先生の奥様と街でばったり会った。カフェで珈琲一杯分の井戸端会議。
その時に奥様が仰った言葉はその後、数か月に渡って私の心に居座り続けることとなり、そして私の背中を後押しした。
もう疲れちゃったんじゃないかな。
5年前よりも発達障害を扱うクリニックも増えたしね。
"本当に治したいからトレーニングを受講したい"んじゃなく"症状が出ないようにお薬がほしい人の方が多い"んだとしたら…
真摯に指導する先生たちはやり切れなくて疲れ果ててしまうんじゃないかな。
真摯に指導する先生たちはやり切れなくて疲れ果ててしまうんじゃないかな。
発達障害の特性が「続く人」「見られなくなる人」の最大の違い
SNSやネット上の掲示板を見ると、発達障害当事者たちが様々な意見を交わし合っている。
時にはカサンドラ症候群予備軍たちと発達障害当事者たち、発達障害の特性が日常生活においてほぼ出なくなったという人たちが、忖度も遠慮もなく自分たちのために「ほんとのところ」を教え合ったり意見をぶつけたりしている。
時にはカサンドラ症候群予備軍たちと発達障害当事者たち、発達障害の特性が日常生活においてほぼ出なくなったという人たちが、忖度も遠慮もなく自分たちのために「ほんとのところ」を教え合ったり意見をぶつけたりしている。
また、発達障害指導者の中には、ご自身も"かつて当事者だった"という方も珍しくない。彼ら(赤字)の意見は見事に同じで、とても興味深い。
発達障害は病気じゃなく脳の障がいだから努力では治らない、なんてことはない。
日常生活においてその特性が出ないように、僕ら・私らは10倍の努力を続けた、そして3倍の努力を続けている。
日常生活においてその特性が出ないように、僕ら・私らは10倍の努力を続けた、そして3倍の努力を続けている。
発達障害の特性が見られなくなった人たちの言う「努力」とは
――SNSやネット上の掲示板を見ると、当事者が「努力ではどうにもできない」「努力でどうこうなるものじゃない」と言っているのを多く見かける。多くどころではなく目にする9割がそういう意見だといっても過言ではないかもしれません。
けれど赤字の彼らの意見と同様、指導者として見てきた私はいつも思ってた。「自分たちは最低限の努力しかしない。でも周囲には十分な理解と手厚い歩み寄りという最大級の努力を求めるのは、発達障害を言い訳にふんぞり返っているだけじゃないのか」と。
2か月前、大人の発達障害のトレーナーを辞めよう…ではなく「辞めたい!」と強く思う出来事が2つあった。
正しく言えば2年前に卒業したADHDの生徒と、アスペルガーの要素もある在籍3年になるADHDの生徒によって、私は「もう…いやだ。発達障害というものと関わりのない人生を歩みたい」と強く思ってしまった。
(つづく)