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ADHDにとって"ふつうのTODOリストが効果がない"理由

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StartupStockPhotosによるPixabayからの画像

 

ADHD[厳密にはADD/多動がないもの]の特性と、ADHDの特性を起因としてできあがった性格――性格が悪いということではありません――が理由で、
 
 同性であるはずの女性と、子どもの頃からトラブルや衝突が多かった生徒に、ダンススクールでとても優しい女友達ができました。

 

 
 しかし、その女友達・エリコさんのお誕生日を祝うことやお誕生日そのものを忘れてしまい「嫌われたに違いない……」「怒らせたに違いない……」と落ち込み涙を流す生徒の忘れてしまった原因究明を行った――。
 
というところまでが前回の記事に書いた部分です。
 
 
 
 

先を見越して行動をするのが苦手なADHDに起こりうること

 
世の中の7~8割の人には予測がつくことでも、発達障害の特性ゆえに「先を見越して動くのが苦手・予測がつけられない・予測を立てられない」→ 「突発的事態になりうることに適応できずパニックになる、忘れごとが増える」は正直に言うとかなり、かな~り多いです。
 
 
大人の発達障害トレーナー兼カサンドラ症候群カウンセラー歴も5年、200名超の生徒達にトレーニングをしてきましたが「おっ! それも突発的事態になってしまったのね?!」と驚かされることは非常に多く、又、個人差があると感じます。
 
 
発達障害について学ばれている方にはすでに知られていることですが
 
 
  1. 突発的事態が起きる → パニックに陥る/思考が停止/他のことを忘れる
  2. 予定の変更が起きる → パニックに陥る/思考が停止/他のことを忘れる
  3. 予定・予測外の事態が起きる → パニックに陥る/思考が停止/他のことを忘れる
  4. 上記事態に合わせて臨機応変に対応 → 極めて難しい/臨機応変は非常に苦手な分野
 
 
これら4項目については「パニックを最小限に抑える」「思考停止の時間を1時間内におさめる」ことくらいなら、トレーニング開始から早い人で半年で身につきますが、平均的には2年かかるケースが多いです。
 ※誰かの力を借りずとも自分自身で押さえたり・おさめたりできるようになるまでの目安です
 
 
 
突発的事態・予測もしない出来事によって「頭の中から出てしまったモノゴト・やりかけていた仕事や家事など」を自発的に思い出して、自発的に再び取りかかれるようになるのは、発達障害の特性を持たない世の中の7~8割の人には容易いことでも特性があると……なかなか難しいようです。
 
もちろん、「ふとした拍子に思いだして取り掛かる」「誰かに注意を受けて取り掛かる」ということはあるでしょうが、あくまでも自発的にとなると少々困難。
 
 
 
 
 

予想外のできごと・突発的事態の可能性もスケジュールに入れる

 
困難を小さく済ませるためのコツのひとつとして、可能性あるあるスケジュール/可能性あるあるTODOリストを組み立てます。……意味、分かるでしょうか? 
 
「予測もつかない出来事はきっと起こると思うよー! 突発的事態もきっと起こるんじゃないかなー? だから余裕を持って・できるだけ前倒しでスケジュールを立てていくわよー!」ってことです。
 
 
  • 突発的に事態が起こりうる可能性あるある
  • 予定の変更が起こりうる可能性あるある
  • 予定・予測外の事態が起こりうる可能性あるある
 
 
この可能性あるあるスケジュール/可能性あるあるTODOリストの作成は、慣れるまではサポート&チェックが必要です。
 
たとえば今回例題に挙げている生徒をサンプルに解説しますと、実際には私の知らぬところでダンススクールに入会なさっていたのですけども「事前にダンススクール入会への相談を受けていた」と仮定して話をすすめます――。
 
 
 
 
 

ADHD対応/突発的事態を見越して話をすすめるコツ ①肯定で安心

 
生徒 「ストレス発散と友達づくりの目的で、ダンススクールに通おうと思ったんですけど、どうでしょうか?」
 
先生(私)「いいね! ダンス流行ってるしね、楽しそうじゃん!」
 
 
 まずは"必ず肯定"してください。皆さんも経験があるかと思いますが、頭から否定されたり意見されるのって気分はよくありませんよね? 
 
 とくに発達障害の特性を持っている人達は、自分に自信がなく、自己肯定感が育っていないことが多いです。
 
 私の教えてきた限りですが、とくにADHDの要素がある子達は「褒められたり」「認められたり」「賛同されたり」すると心配事やストレスが減り、改善への道が早かったですよー。
 
 
 
生徒 「やっぱり先生もそう思いますか?」
先生(私)「思うよ、すごくいいと思うよ。ストレス発散って大事だもんねー」
 
 
 まだもう少し、肯定は続けます。理由は前述した通りです。
 
 
生徒 「じゃあさっそく申し込みます!」
先生(私)「ちょちょちょちょちょ……ちょっと待ってー
 
 
 衝動性が優位になると、すぐに行動に起こしがちです。その結果、色々とつまづくことが多いので……できるだけ明るい口調でストップをかけます。
 
 『可能性あるある』を提案するためです。
 
 
 
 

ADHD対応/突発的事態を見越して話をすすめるコツ ②聞くスイッチON

 
生徒 「……」←なぜストップをかけられたのか分からないので、にこやかにポーっとしてたり、不安げな表情でポーっとしちゃう子もいます。
 
先生(私)「ダンススクールに通うことは、すごくいいと思う!」
 
 
 「ポー」と一時停止している状態を動かすために、三度目の肯定から入ります。そうすると「安心して聞き入れる状態」のスイッチが入ります。
 
 
 

ADHD対応/突発的事態を見越して話をすすめるコツ ③指出しサインで集中

 
先生(私)「ただし、気になることがあります」
 
 

 ■重要① 
頭の中を通っている1本の道路が、ダンススクールに入会する! という目的で埋まっていますので、臨時に必要な本数の道路を用意しなければなりません。
 
 「安心して聞き入れる状態」のスイッチはONになったけれど、道路が用意されていないと「話は耳には入れど、頭に入らない・記憶に残らない」ためです。
 
 
 ■重要② つの個数は多くて2まで。
 ※トレーニングを積んだり、出来ることが増えて(=自己肯定感が上がって)頭の中の道路が常時2本~3本になるまではグッと我慢です!!
 
 
 ■重要③ 2つと言う時には、指を2本立てて見せてください。
 例えるなら、ご自身の顔の横でピースサインをする感じです。2つなら2本、3つなら3本、1つなら1本です。
 
 
 

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この『指出しサイン』は重要度が極めて高いです。
指を2本見せながら →「ただし2、気になることがあります」です。
 
 
保育園の先生達やデイケアへの支援サポートも行うことがあるのですが、この『指出しサイン』で園児達に呼びかけると、2つなら2つ、3つなら3つの指示が終わるまでは集中して耳を傾けてくれる子ども達がぐっと多くなったという報告が多く上がってきます。
 
 
これは私自身がカサンドラ症候群に苦しみ治癒に向かう中で、専門の担当医やトレーナーから実際に教わったことのひとつでもあります。
 
先生方は「頭の中のウインドウが必要枚数ぶん開く」「ウインドウが開いてから、指示をしてあげてください」という風に仰っていました。
 
 
 
 

ADHD対応/突発的事態を見越して話をすすめるコツ ④可能性を提示

 
先生(私)「ただし2つ、気になることがあります」指2本です
生徒 「なんでしょうか」
 
先生(私)「まず1つめ!」指を1本出して、自身の顔の前に立てます
先生(私)「ダンススクールの多くには発表会がつきものです。つまり、振付を絶対に覚えなきゃいけない。皆の前でそれを披露しなきゃいけないといった出来事がきっと起こります」
 
 
生徒 「……」

先生(私) 「話を続けても大丈夫? それともちょっとパニックかな?」
 
 
 このような確認作業は大切です。
 言いかえれば思いやり、ってやつでしょうか(笑)
 
 問題ないようでしたら、次にすすみます。
 
 
 
生徒 「大丈夫です……振付、覚えられるでしょうか?」


 
 大丈夫だと本人は言いましたが、新しい心配ごとが頭の中に発生したので、2つめに進むのはしばし待ちます。
 
 1つ気になることが出てくると頭の中はそれでいっぱい → ネガティブなイメージが広がってしまうので、それをクリアにするのが先決です。
 
 クリアになったら――不安に対して納得できる答えを提案できたら、次にすすみます。
 
 
 
先生(私)「気になること2つめいくよ? 大丈夫かな?」
生徒 「大丈夫です」
先生(私)「じゃ2つめ!」指を2本出して、自身の顔の前に立てます
 
 
先生(私)「発表会や振付を覚えるなどの突発的事態・大変な出来事が起きると、他の大切なことや本来やっておかなきゃならないことを忘れてしまったり、記憶から抜け落ちたり、疎かになることがあります」

 
生徒 「……あります、よくあります!!」

 
先生(私)「ですのでいつ発表会の告知がきても慌てず焦らず済むように、1か月ごとのスケジュールを立てましょうか」
 
生徒 「はい」

先生(私) 「では、用意してほしいものが
9個あります! メモの準備よろしく!」
 
生徒 「9個?!」←多さに驚きます・不安にもなります

先生(私)「でも大丈夫! すべて文房具屋さん、または100均で揃います。9個って言っても必要なものは3アイテムなのでぜんぜん心配ないよ」
 

 
 『見えないもの/イメージが浮かばないモノゴト/経験のないこと』を過剰に不安がる傾向がありますので、できるだけ具体的に話すと良いです。
 
 この場合ですと「文房具屋さんか100均」「3アイテム」などがそれにあたります」
 
 
 
 

「メモ確認」と「ダブルスタンバイ」で、ADHDのあるあるミスを減らす

 
先生(私)「メモに書いた?」
生徒 「はい」

先生(私)「メモを写真に撮ってLINEに貼りつけて~
生徒 「はい」
 

 
 ADHDの特性を持つ人の多くはこれまでの人生経験から「慌てる」「急ぐ」「待たせちゃいけない! とテンパる」傾向があります。
 
 ですので、とったメモが単純に読みづらかったり、たくさんのメモの中に紛れ込ませるように書いたり、適当なページにメモったり……「これはあとで読めないだろ?」というものが少なくありません。
 
 ですので、メモの確認はした方がよいです。「10分待つから落ち着いて書いていいよー」などの一声があるとさらにいいかもです
 
 
 
トレーニングはLINEまたはスカイプのビデオ通話で行っていますので、メモをとる様子から写真に撮って、LINEに貼りつけるまでの行動の流れもトレーニングの一環として見ています。
 
 メモがどのようにとられたかのチェックも行えますし、お互いのLINEのトーク画面に記録として画像を貼ることで、うっかりメモを忘れてもLINEにも記録が残っているというダブルスタンバイが完了します。
 
 ※本当は、1週間でサーバーから消えてしまうLINEトーク画面に貼るよりも、LINEノートに保管する方が良いのですが、まずはLINEでダブルスタンバイをするということに慣れることが肝心なので……。
 
 
 
――長くなりましたので、今日はここまでにします。
 
本文中にありました3アイテム・9個の用意については文字数も多くなってまいりましたので次回に持ち越しとさせてください。(つづく)