疲れたからちょっと無職になってみた

明日死ぬとしたら、生き方が変わるのか?

分からないことが分からないから「分かった」と返事をしてしまう理由【2】

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一般的に使われている「はい、わかりました」の意味と、ADHDやアスペルガーなど大人の発達障害の特性を持つ人たちの「はい、わかりました」の違いについては、前回の記事で詳細にまとめました。

 

 
 
200名を超える大人の発達障害の生徒達にトレーニングを行いながら気づいたのは、アスペルガーやADHDの特性上「はい、わかりました」と言ってしまう部分に、育成環境によってつくられた性格が加わっていることを見過ごすことはできないなということです。
 
 
 

わからないことを分からないと言っても良い環境づくり

 
私 「――ということになります。分かった?」
生徒 「分かりました」
私  「本当に分かった?」
 
  • わかりやすく目が泳ぐ
  • カチーンと固まる
  • 挙動不審になる
  • 無表情で「分かりました」と言う
  • ひきつり・愛想笑いを浮かべて「分かってると思います……」

 

 
私 「分かってない部分もある?(笑)」
生徒 「はい(苦笑)」
私 「ハハハハ! どこが分かってないか当ててみせようか~」
 
今でこそこんな風に冗談交じりに「分かってないことを、優しく笑いあえる」ようになりましたが、大人の発達障害のトレーナーになったばかりの頃や、私自身がカサンドラ症候群に苦しんでいた頃は、とてもじゃないけれどこんな精神的余裕はありませんでした。
 
 
 

分からないのに分かったと返事するなんて「どうかしてる」と思ってた

 
 
  • 分かるように説明したし
  • 分からなければ訊けばいいし
  • なにより、大人なら……見て学べよ
  • ふつうそうするだろ、大人なら
 
 
そう思っていました。正直に言うと、そんな簡単なことすら出来ないなんてどうかしてるんじゃないの? と見下してさえいました。
 
 
ここでちょっとだけ自分語りをさせてください。
 
 
 幼い頃からわりとなんでもできる子でした。でも私は75点から80点の「合格ライン」をいくつも出せるだけで、100点や100点以上を出せる子ではありませんでした。
 
 兄はスポ―ツをやらせても勉強でも100点をいくつも出せる人で、両親や祖父母はそんな兄と私を比べたり、私を劣っていると言ったことは一度もありませんでした。
 
 お兄ちゃんにはお兄ちゃんの、アンジにはアンジの良さがあるから比べるものじゃない。それに……アンジは女の子だから完璧に出来ないことが可愛げがあっていい。
 
 それまでなんでもできる兄に対してコンプレックスを抱いたことは一度もなかったんですけど、子ども心に「アンジは女の子だから完璧に出来ないことが可愛げがあっていい」←こう言われたことがどうにも引っかかってしまったみたいで(笑)、負けず嫌いに火がつきました。
 
 
 だけど……体格差やそもそものポテンシャルなど、努力や頑張りだけではどうあがいても超えられない高い壁があって、どう頑張っても勝てない相手がいるということを知り、悔し涙を何度も流した日々が私にもあった――ということを思い出しました。
 
 

『発達障害』というものがどういうものなのかを、その時にやっと私は気づけたように思います。だからといって同情はしません。きっと彼らも同情なんてほしくないだろうし。
 
 
「はい、わかりました」と分かってないのに言ってしまう彼らにはい、分かりません」と言える環境と関係をつくる。これが、新しい生徒を迎え入れるたびにまず初めに私が行う作業となりました。もちろん今もそうです。これからもきっとそうです。
 
 
 

 

分かってる人がやりがちな「再説明」という致命的ミス

 
【注1】これは多くの「分かっている人」がやってしまいがちな、もちろんかつての私も盛大にやらかしていた、再説明を繰り返すというミス。
 
【注2】そこに「分かっている人が、分かって使っている専門用語」が加わっていたらもう大変です。
 
  1. 理解ができなかった説明を2度も聞かされる
  2. しかも聞きなれない宇宙語(=専門用語)混じり
  3. でも、今度こそ理解しなきゃいけないというプレッシャー
  4. 『頭の中の道路』は大渋滞でパンパンに張っています
 
――こんな状態、発達障害がなくたってキツいです。
 
政治家や議員が自分達の世界で当たり前に使われている「賢そうな言葉」を使って話しているのを聞いていると、何言ってんだかわかんねーよ! もっと国民に分かりやすい言葉で喋れ! って思ったこと……ありませんか?
 
「ある」
 
ですよね? まさにそんな感じだと思ってください。キツいっしょ?(笑)
 
でも分かりますよ、再説明してしまう気持ち。きちんと伝わるように、一度めよりも微細に詳細に丁寧に「言葉数多めに」「例をいくつも交えたりして」再説明してしまうその気持ち、よく分かります。まさかそれが致命的ミスだなんて考えてもなかったです。
 
 
 
 
 

ADHD/アスペルガーの『頭の中の大渋滞』は顔に出ています

 
ADHDやアスペルガー、大人の発達障害の特性を持つ人の『頭の中の道路』がすでに大渋滞を起こしていて1台の車の入る隙間もない場合の再説明は
 
  • 微細な情報を詰め込んだ車を
  • 詳細に丁寧に言葉数を詰め込んだ車を
  • いくつもの例を詰め込んだ車を
  • これだけ教えてるんだからもう2度とやらかすなよ、というプレッシャーを詰め込んだ車を
 
無理やりに割り込ませるようなものです。むりむり、完全に限界を超えてしまっています。
 

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  1. 頭の中の交通渋滞(パニック)を抑える方法はおそらく本人が、経験上なんとなく分かっているかと思うので"15分ほど"本人に任せてください
  2. 傍から離れて、本人を1人にさせてください【重要
  3. 瞳孔が開いたように目がバキバキしていたり、逆に目から生気が失われぼ~っとしていたり、顔色が赤黒くなったり、青くなったり、不安や緊張・焦りなどにより過剰な皮脂分泌があったり「見た目に分かるパニック状態」が、15分を経て『減っていたら/消えていたら
  4. AをやってBをしてCが~~と一度に複数出していた指示を、Aのみにしてください
  5. キーワードは『1度にひとつ』です ※下記記事をご参考にしてください
 
 
 
 
  • Aを時までに仕上げてください
  • でも、分からないことや質問・困ったことや迷いがあればその都度××まで遠慮なく聞いてください
  • その時は必ずメモの準備を忘れずに
 
上記を「1セット=1度にひとつ」として伝えてみてください。これでも改善が見込めなければ伝え方をさらにアレンジする必要があります。ここから先はトレーニングの範疇になります。